東京聖栄大学 教員 研究業績

氏名 有村 久春(アリムラ ヒサハル) 性別 男性
所属 管理栄養学科 職位 教授
学位
博士論文
最終学歴 都留文科大学文学部教育学科卒業
資格 学校心理士
学校カウンセラー
ガイダンスカウンセラー
現在の研究テーマ 特別活動研究(個と集団)、生徒指導研究、カウンセリング研究
科学研究費助成事業「審査区分表」における研究分野の区分
小区分コード 小区分名
09010 教育学関連
09040 教科教育学および初等中等教育学関連
職歴
年月事項
昭和46年 4月~昭和49年 3月 東京都府中市立第九小学校教諭
昭和49年 4月~昭和55年 3月 東京都中野区立新井小学校教諭
昭和55年 4月~昭和60年 8月 東京都中野区立東中野小学校教諭
昭和57年 4月~昭和58年 3月 東京都立教育研究所派遣教員研究生
昭和60年 9月~平成元年 3月 青梅市教育委員会指導室指導主事
平成元年 4月~平成 5年 3月 東京都多摩教育事務所指導課指導主事
平成 5年 4月~平成 6年 3月 東京都立教育研究所相談部指導主事
平成 6年 4月~平成 9年 3月 青梅市教育委員会指導室指導室長
平成 9年 4月~平成10年 3月 東京都三鷹市立第一小学校校長兼幼稚園長
平成10年 4月~平成13年 3月 昭和女子大学専任講師 短期大学部初等教育学科(特別活動の研究,生徒指導研究,教育相談研究,学級経営など)
平成13年 4月~平成16年 3月 昭和女子大学助教授 短期大学部初等教育学科(特別活動の研究,生徒指導研究,教育相談研究,学級経営など)
平成16年 4月~平成18年 3月 昭和女子大学教授 短期大学部初等教育学科(特別活動の研究,生徒指導研究,教育相談研究,学級経営など)
平成18年 4月~平成19年 8月 昭和女子大学教授 短期大学部子ども教育学科(特別活動の研究,生徒指導研究,教育相談研究,学級経営など)
平成19年 9月~平成22年 3月 岐阜大学 教育学部教授(特別活動と学級経営、生徒指導の理論と実践など)
平成20年 4月~平成22年 3月 岐阜大学大学院教育学研究科教職実践開発専攻課程認定審査(学級経営の理論,生徒指導・教育相談の理論,特別活動の開発,教育臨床実習)
平成20年 4月~平成22年 3月 岐阜大学大学院 教育学研究科教授(生徒指導・教育相談の理論、学級経営の理論など)
平成22年 4月~平成26年 3月 帝京科学大学こども学部教授(教育原理 特別活動論 生徒指導・学級経営の理論など)
平成26年 4月~現在に至る 東京聖栄大学健康栄養学部教授
学会及び社会における活動
現在所属している学会 日本特別活動学会/常任理事、全国特別活動研究会/顧問
日本子ども社会学会会員、日本学校教育相談学会会員
日本教育心理学会会員(学校心理士 第99014号・平成22年1月更新)
日本生徒指導学会会員
日本学校教育相談学会会員
日本学校教育相談学会認定・学校カウンセラー(第0832号・令和2年3月更新)
日本特別活動学会/研究開発委員長、日本特別活動学会/副会長
スクールカウンセリング推進協議会/ガイダンスカウンセラー(認定番号:第1101186号、平成23年7月1日・令和4年4月更新)
著書(平成9年以降)
  著書、学術論文等の名称 単著
共著
の別
発行又は発表の
年月日
発行所、発表雑誌等又は発表学会等の名称 概要
  『教育の基本原理を学ぶ ― 教師の第一歩を確かにする実践的アプローチ』 単著 H21.12 金子書房 全140頁
(有村久春著)
本書は、子どもや学校・教師の存在を問いながら、そしてまた、教育学の専門的な知見にも学びながら<実践的な教育原理>を記したものである。次代の教育は、その基本原理を思考しつつ、目の前の子どもたちにある課題として向き合う必要がある。<子どもあっての教育>をどのように展開するのか、その理論的考察と実践的アプローチが本書のコンセプトである。(研修会や講義でテキストとして活用する)
  「生徒指導体制の基本的な考え方」「生徒指導の組織」 共著 H22.3 『生徒指導提要』文部科学省 全237頁 生徒指導は、道徳教育との関連を重視し、全ての児童生徒を対象として教育課程に機能する教育活動である。したがって、その推進に当たっては、全教職員がその役割を担い、全校を挙げて計画的にしかも組織的に取り組むことが必要である。また、その運営にあっては個々の教員の役割の発揮が大切である。
(76-78頁分担)有村久春,麻畠裕之、新井肇、石橋昭良、市村彰英、他
  「特別活動に関する記入の工夫と記入例」 共著 H22.6 『小学校通知表文例事典』
尾木和英・小島宏編著
ぎょうせい 
全175頁
学習指導要領の改訂にともない、指導要録の改訂の通知が出された。本稿では、特別活動の内容に関して、具体的には、(1)児童自身の活動の振り返りをみる、(2)新たな目標や課題をもてるかをみる、(3)活動の結果だけでなく活動のプロセスにおける努力や意欲などを積極的に認める、(4)児童のよさを多面的・総合的にみる、などの評価の在り方を工夫したい。
(107-127頁分担)有村久春,尾木和英、小島宏、桜橋賢次、清水健、寺崎千秋、黒田泰正、他
  「学級づくりの中の授業づくり、授業づくりの中の学級づくり」 共著 H23.1 『教えることをどう学ぶか』現場と結ぶ教職資リース4
石川英志編著
あいり出版
全221頁
子どもが自らの学びに意欲的に取り組み、そのプロセスが自己成長に資していくには、教師の営みとしての授業及び学級づくりの有り様が問われる。それゆえ、授業の展開に十分に機能する教師のかかわり方、それに呼応する子どもの個々の学び、そこに表出する子どもと教師の意識や行動の事実、学び空間としての教室環境など諸要件を検討したい。これらには、道徳教育の指導やカウンセリング感覚が基底をなす。
(161-174頁分担)有村久春、石川英志、西尾朋子、清水優子、松本謙一、大杉昭英、他
  『カウンセリング感覚のある学級経営ハンドブックー教師の自信と成長』
単著 H23.9 金子書房 全174頁
(有村久春著)
本書は、子どもとのかかわりを中心に、学級教師としてどのような教育活動をしていけばよいのか、その具体的な考え方や実践例などをもとに学級経営の在り方を構成した。序章では道徳教育と連関する教師のカウンセリングの考えやその感覚について述べ、子どもとのかかわりにどのように活かすことが可能なのかなどを考える。教育課程を運営する学校教育全体に通じる基礎理論である。各章では学級経営の基本となる考え方や在り方を示し、学級の集団形成と授業の経営に重点を置くことの重要性を述べた。
  保護者対応の創意工夫
・外部専門機関・専門家の活用(118-119頁)
・暴力的言動(130-131頁)
・小学校「授業崩壊」へのクレーム対応(158-161頁)
  計8ページ
単著 H24.7 『保護者対応に困ったときに開く本』
教育開発研究所:佐藤晴雄編集
(全199頁)
学校現場が子どもや保護者の問題のすべて抱えることは困難である。外部の機関等を有効に活用し、互いの専門性を発揮するようにしたい。その際、(1)互いの立場を尊重する。各々が自らの役割を自覚し、互いのよさに気づくことが大切である。(2)始めから完璧をねらうことなく、まず連携・協力してみる。そして、(3)互いの情報を提供し合うことである。必要な情報を取捨選択することを互いに許容し合うことも重要なことである。
  (1)参観者が「この学校は靴箱も掲示物も汚い」と指摘(6ページ)
 (2)「大事な上靴がな
くなった」と、子どもが職員室に駆け込んできた(6ページ)
     計12ページ
単著 H24.9 『学校の危機管理ハンドブック』
ぎょうせい(学校の危機管理研究会編集
(追録)
(1) 生徒会活動として、「ルール・マナー討論会」を行う。生徒の自主的な実践をうながし、<美しい学校環境>をつくる。
(2) 何らかの問題行動等の事態が発生した場合、キーになるのは<初動態勢をどうつくるか>である。本ケースでは、最初の教頭の動きがA男の訴えをB教諭に伝えるだけに終わっている。
  学級担任・ホームルーム担任による生徒指導
(第4章p65~78執筆)
共著 H26.2 『新教職課程シリーズ 生徒指導・進路指導』
田中智志監修
一芸社
本章では、担任教師が行う生徒指導の在り方を学ぶ。生徒指導そのものは全教職員による教育活動であるが、日常的な指導は学級担任が直接的に行うことが多い。子どもの学校及び学級の生活に関与し、互いに学び合う存在にからである。とくに小学校の担任は全教科の授業を担当し、子どもの学習及び生活の状況を理解している。また、教科指導専門の中・高等学校の学級担任にあってもその基本は同様と考えられる。
  『新訂版学級教育相談入門』 単著 H26.5 金子書房
全214頁
(有村久春著)
本書のテーマは、教育相談である。端的に言えば、子どもの生き方によりそいながらそのあり様に向き合う営みのことである。とくに学級担任教師の指導援助の在り方を中心に入門的な内容で構成している。今日の子どもたちの状況に複雑な思いを寄せているところである。その大きな課題(思い)の解決には至らないが、子どもの本来的な姿やその存在、教育の基礎基本などを大切にしながら求められる教育の方向性に留意して構成した。とくに、学級担任が向き合う危機的な問題なども取り扱った。
  『改訂二版キーワードで学ぶ特別活動 生徒指導・教育相談』 単著 H27.4 金子書房117頁
(有村久春著)
本書が世に出たのは、2003年である(初版)。その後、2008年に改訂版を出した。このたび改訂二版として、その一部分を加筆・修正することにした。本書のポリシーは、子ども個々が有している人間的な<よさ>を援助し、その自己成長を温かく見守る指導原理の提案である。とりわけ、これからの未来社会を生きる子どもたちに不可欠な自律的精神をベースにした多様性と協働性の獲得の必要性を痛感する。それゆえ、本書のテーマである<特別活動>と<生徒指導・教育相談>が内包している「自己理解」「社会性」「適応」「人間関係」などについて、これまで以上に教師個々が自らの教育活動により能動的に機能させることが重要であると考える。
  「学校の教育相談活動と教育支援センターの役割機能」(『新教育課程ライブラリ』に所収) 単著 H28.9.25 ぎょうせい:94頁  『新教育課程ライブラリ』(p26-29 有村久春執筆担当) すべての子供が自ら求める充実した豊かな学びを獲得できる学習援助が欠かせない。教育の基本原理に照らしても疑う余地のない至極当然の論理である。この意味において、教育相談・教育支援センターの存在は、不登校にある子供たちはもとよりその保護者や家族、学校関係者、地域の人々にとって大切な役割と機能を有しているといえよう。そのよりよきあり様を考えるとき、各学校は<教育の場>としてどのような相談活動を行うのであろうか。一般にこの社会には多様な組織や団体等があり、それら個々における相互連携のあり様がそのニーズに即応して柔軟に展開されているところである。
  「「特活」からみる学びの土台づくり」(『新教育課程ライブラリ』に所収) 単著 H29.6.30 ぎょうせい:94頁  『新教育課程ライブラリ』(p22-25 有村久春執筆担当) 教育課程の改訂に当たり、これからの「特活」の展開のあり様が各学校の教育活動全体のキャスティングボードを握っているとしても過言ではない。次代の生き方に向けた人間(子供)の描き方として、自ら学ぶ意欲、自己の将来を見通すこと、職業的自立に向けた資質・能力などの力量形成が欠かせない。この具現化に向けて、「特活」の意義や特性が各学校のあらゆる教育活動に機能していくことが真に求められているのである。
特別活動は<教科書>を有しない。目の前の児童生徒からの<学び>が教科書である。それゆえ、重ねて言うなら、「特活」を要とした教育活動が各教科等をはじめとした児童生徒個々の確かな学びの獲得や未来社会を生き抜くエネルギーに資するものと考える。
  『改訂三版キーワードで学ぶ特別活動 生徒指導・教育相談』 単著 H29.8 金子書房p188頁
有村久春著)
本書が世に出たのは、2003年である(初版)。その後、2008年に改訂版を出した。その後2015年に改訂二版とし、そしてこのたび学習指導要領の改訂(2017.3.31)にともない、改訂三版三版として、その一部分を加筆・修正することにした。本書のポリシーは、子ども個々が有している人間的な<よさ>を援助し、その自己成長を温かく見守る指導原理の提案である。とりわけ、これからの未来社会を生きる子どもたちに不可欠な自律的精神をベースにした多様性と協働性の獲得の必要性を痛感する。それゆえ、本書のテーマである<特別活動>と<生徒指導・教育相談>が内包している「自己理解」「社会性」「適応」「人間関係」などについて、これまで以上に教師個々が自らの教育活動により能動的に機能させることが重要であると考える。
  『平成29年改訂小学校教育課程実践講座特別活動』 編著 H29.12 ぎょうせい(全225頁) 担当ページ(PP:2~6,99~102、205~218頁) 学習指導要領改訂(平成29年3月)を受け、今回改訂の趣旨や教育課程編成の重点、また特別活動について改訂の要点や改善のポイントを具体的かつ重点的に解説した。とくに、特別活動との関連が求められる総合的な学習の時間の取扱いや生徒指導・進路指導(キャリア教育)との関連を重視し、日々の授業実践に役立つ内容に構成した。授業事例や指導案等を豊富に紹介し、教育課程実施の基本となる「資質・能力の育成」や「主体的・対話的で深い学び」を授業の中でどう実現させるか、など具体的な視点や手立てを示している。(PP:2~6,99~102、205~218頁)
  「スクール・リーダーのあり方・生き方」次代を創る3つのコンピテンシー(『リーダーズ・ライブラリ』に所収) 単著 H30.8 ぎょうせい:97頁  『リーダーズ・ライブラリ』(p34-35 有村久春執筆担当) いつの時代でもどの社会・職業でも、リーダーはダブルバインド状態にあることが少なくない。理想と現実のギャップ、過去と現在・未来の不透明さ、メンバーと自分との価値観や思想の相違など。そこでの葛藤を乗り超えアウフヘーベンして思索・実行するところに、リーダーとしての面白さと醍醐味がある。多様性や不測事態への柔軟かつ即応的な判断と動きを次代の教育は求めている。
とくにスクール・リーダーの場合、行政当局(文科省や教委)の施策や方向性と日々の教育活動の成功や課題・危機との乖離を感じることがあろう。
  「特別活動の歴史] 『やさしく学ぶ特別活動』の第3章に所収 単著 H30.3 ミネルヴァ書房:全233頁 『やさしく学ぶ特別活動』(第3章p30-49 有村久春執筆担当) とりわけ戦後の「特別活動」は、学習指導要領の改訂のたびにその名称を変えてきた経緯がある。昭和22年の「自由研究」に始まり、「教科以外の活動」、「特別教育活動」を経て、昭和43年から今日に称されるように「特別活動」とされている。名称の変遷とともに、以下の3期に分けられる。<基盤期>昭和33年から42年まで、<確立・充実期>昭和の終わりまで、<転換・発展期>平成元年から今日まで、である。
  「いま、先生のメンタルは大丈夫か?]『リーダーズ・ライブラリVOL.10』のtheme3に所収 単著 H31.2 ぎょうせい:97頁  『リーダーズ・ライブラリ』(p26-29 有村久春執筆担当) 教員のメンタル面の回復には個々の実態に応じた援助が必要である。スクールリーダー(校長)として身に付けたい<温かさのある経営センス>といえよう。管理職の経験則からすると、「もっとしっかりした学級経営をしたらどうか」「教師の一方的な教え方では子供はついてこないよ」「保護者に文句を言われないように・・」などの見解や指導助言の在り方もあろう。しかし、専門職の高いしかも個業型の業務性の強い教職にあっては、教員個々の内的なエネルギーの自己強化がなによりも求められる。
  「地域教材の活用 - 総合的な学習の時間」 単著 H31.3 わかば社『改訂版・教職実践演習 これまでの学びと教師への道』p157頁(梅澤実他編著)第9章に所収 担当p108-112  本論文は、総合的な学習の時間に地域教材をどのように活用するのかを具体的に論じたものである。地域教材は、その地域社会にそのまま存在し、子どもたちの学習のニーズに自由に色付けられる要素をもっている。ここに、総合的な学習の時間がねらいとする課題の発見や問題解決の在り方を学ぶ価値がある。このことは、「あっ、見つけた」「これは何だろう」「すごいなー」など、子どもたちの動機づけを引き出す。そして、「何かを学んでみたい」「自分でやってみよう」とする学びの欲求をかき立てる。
  「生徒指導と教師に求められる指導力」 (『新しい時代の生徒指導・キャリア教育』の第7章に所収) 単著 H31.3 ミネルヴァ書房『新しい時代の生徒指導・キャリア教育』p207頁(和田孝・有村久春編著) 第7章を有村が担当p101-115  本章のねらいは、生徒指導が求める教師の力量形成の在り方を具体的に理解することである。従来の生徒指導にありがちであった抑圧的な「・・しなさい」などの指導から、援助的なかかわりである「一緒に考えよう」とする子供の生き方やキャリア形成を支える生徒指導の方向性を探求する。また、生徒指導は、子供個々の生きる権利を保障し、こころ豊かな生活を援助することである。しかし、文部科学省の問題行動等の調査からも明らかなように、いじめや暴力行為、不登校などに苦しむ子供の状況がみられる。また、教師の体罰や保護者の虐待の問題等もあとを絶たない。「後手に回る」事態も起きている。これらの未然防止と的確な対応が不可欠である。
  「新学習指導要領のねらいとこれからの特別活動」 (『学校教育・実践ライブラリ』に所収) 単著 R1.12 ぎょうせい『学校教育・実践ライブラリ』VOL,9(p14-17 有村久春執筆担当)  なぜ、今回の学習指導要領改訂で「主体的・対話的な深い学び」(通称:アクティブ・ラーニング)が求められているのか? 今回の改訂の方向性を示した中央教育審議会答申(H28.12.21)からその一端を考えると、「社会的・職業的に自立した人間」の育成が挙げられる。このことは子供一人一人が自分の生き方やキャリアを自ら探索する学びの力量形成にほかならない。まさにこれまでにも否これからも特別活動の役割と使命がそこにあるように思う。
  「アセスメント・ベースの学校づくり・授業づくり」― いま、考えたいアセスメントの発想 単著 R2.10 ぎょうせい『新教育ライブラリPremier』Vol.4(p14-17 有村久春執筆担当) 子供が<自ら学ぶ>ことの大切さは、いつの時代にあってもヒトの自己成長の基礎になっている。とくに総合的な学習の時間の学びに求められるであろう。新教育課程の具体化では「学びに向かう力・人間性等の涵養」を挙げその実践化を求めている。充実感のある学び獲得のベースに資すると考える。
  「教育課程の位置づけと各教科等との関連」 単著 R2.11 ミネルヴァ書房 『アクティベート教育学・特別活動の理論と実践』第3章(p29-43) 有村久春執筆担当) とくに、以下の4点を学びのポイントとして示した。①教育課程の意義とその構成を理解する。特別活動の教育課程上の位置を考察し、教育活動におけるその機能性について検討する。②学習指導要領の特別活動の構成を理解する。とくに、その内容について歴史的変遷等を考察し、小・中高等学校の共通点や特性等を検討する。③特別活動との関連を重視したカリキュラムマネジメントの在り方を学ぶ。
  「エンゲージメントの大切さ」 単著 R3.4.1 ぎょうせい『新教育ライブラリPremier』Vol.6(p86-89 有村久春執筆担当) エンゲージメントは、組織に対する愛着心、仕事への積極的な関与などと表現できる。辞書的には約束、契約、拘束、婚約、雇用などの訳語である。<実存主義はヒューマニズムである>としたサルトル(仏:1905-1980)の言い方ではアンガジュマンであろう。彼は自分を拘束する、巻き込む、参加させるなどの表現として用いている。どのような職場でもこれらの発想と実践なくしては働き甲斐が湧かない。その充実度が先生力と子供の学びを豊かにする。先の見えないコロナ事態の今日、いままで以上にエンゲージメントにある人間力をベースにした職員室経営が求められている。この営みが逆に作用すると日々必要な協調性やコミニケション力がよりよく発揮できない。他と先生方とのかかわりの間での共感や自尊感情を味わえないことになる。
  「生徒指導提要改訂を踏まえたこれからの教育相談の在り方」 単著 R4.12.1 ぎょうせい『教育実践ライブラリ』Vol.4(p8-11:有村久春執筆担当) 特集名「 一人一人に届くきめ細やかな教育相談」におきて、基調論文を提案する。今回の『生徒指導提要』の改訂は、社会の進展にともなう子供の生態と課題に応じながらも、これまでの提要の大枠で受け継いでいる。今日にある課題性を重視して「発達支持」「未然防止」「早期発見」「チー未支援」などの言葉を用いた生徒指導・教育相談の構造を示している。いまの学校状況と子供の生態そしてそれに関与する社会の環境には、何か事が起こる前に何とかしなくては・・、問題があってはならないなど<ねばならない(must)思考>が強い。危機管理の面から致し方ないのか。やや閉塞感が漂う。生徒指導・教育相談の実際は、むしろ<これでよい:good enough>の感覚を大切にする方向でありたい。ただ、そこには相応の深い思索と高い倫理観が求められよう。そこに有益に機能するエネルギーがカウンセリング(教育相談)の実際体験である。不一致にある自己に少しずつ一致する自己が重なる。
学術論文(平成17年以降)
  著書、学術論文等の名称 単著
共著
の別
発行又は発表の
年月日
発行所、発表雑誌等又は発表学会等の名称 概要
  規範意識を育てる指導
単著 H20.11 『新しい教育課程と学校づくり 第3巻 豊かな心や健やかな体の育成』
ぎょうせい 全258 ページ
担当(105-153頁)
規範は、一般に「その社会でそれに従うことが求められている行動などの型」とされる。人が人間として行動したり判断したりするときに従うべき価値判断の基準である。その意識は、「そのような規範を守り、それに基づいて判断し、行動しようとする意思をもつこと」である。例えば、「盗みをしてはいけない」、「友だちの嫌がることをしない」などである。私たちが一人の人間として成長していくうえで、誰もがもちうる道徳性としての<当たり前の感覚>である。
  特別活動にみる「発達」の理解
単著 H20.3 『日本特別活動学会 紀要 第16号』
特集論文
全98 ページ
担当(7-11頁)
教育課程として位置づけられた特別活動の各内容は、いずれも「望ましい集団活動」によって展開される教育活動である。そこでの活動の事実を積み重ねる(体験する)ことによって、<集団としての成長・発達>とともに、そこにかかわる<児童生徒個々の人間的な成長・発達>がみられるものである。この双方の発達は、ある年齢や組織の段階において必ずしも規定されるものではないが、教育的に構成された集団(例:学年、学級、ある種のグループ単位など)にあっては、その活動に学齢的な発達特性がみられる。それらを十分に教師が理解し、指導計画の作成や実際の指導・援助に生かす必要がある。
  教職大学院の講義をどう展開するか
単著 H21.3 『教師教育研究』第5号 岐阜大学教育学部
全225 ページ
 担当(209-213頁)
教職大学院の理念・目的は、学校現場の実践や開発に即戦力として貢献する高度な教育専門職を養成するものである。現場の実践を活かした教材の開発、学校全体の活性化を目指した組織改善など、教育専門職(スクールリーダー)としての高度な力量を養成することとしている。また、この目的達成のために、実践技法の習得やその技法の検証と開発など実践的な演習を組み合わせた授業の工夫を行う。
  子どもとの「かかわり」を問う
単著 H21.3 『日本特別活動学会 研究開発委員会 平成20年度研究推進報告』
全15 ページ
担当(13-15頁)
子どもは先生とのかかわりにおいて、自分のことを<わかって欲しい>と願うものである。学びの事実を認めて欲しいとも期待する。自主的・実践的な体験活動を重視する特別活動においては顕著にみられる子どもの意識である。ここには、教師の側にも子どもの存在を大切にし、子どもの学びをわかろうとする純粋なこころが存在する。
  学級経営と授業改善
単著 H22.4 『教育展望 2010年4月号』教育出版
全64 ページ
担当(12-17頁)
学級経営の充実が子どもの学習活動や日々の学校生活を豊かにしていることに、議論の余地のないところであろう。とりわけ、「学級」を基本的な単位として子ども中心主義の教育を進めてきている近代から現代の学校教育にあっては、ゆるぎない教育の論理をカタチづくっている。教育課程の充実について、授業をどのように展開するかが、教師の資質・能力にも連関して重要な論点である。子どもが自ら「学ぶ力」と「選ぶ力」を獲得し、自分なりの<学びのスタイル>を見出せる授業を創ることである。
  子どもの学習状況にみられる学力形成の課題
単著 H23.2 『指導の改善に生かす新しい学習評価』
財団法人学校教育研究所編 学校図書
全181 ページ
担当(44-47頁)
子ども一人ひとりが生涯にわたる学びの力(学力)を身に付けるには、(1)基礎的な知識・技能の習得、(2)思考力・判断力・表現力などの能力形成、(3)主体的に学習に取り組む態度形成が求められる。これらが、「生きる力」の基盤として資する。「学力」を問う場合、これら3つを総体的に捉える。ある限定された問題を正解した結果(点数)を意味するものではない。
  子どもが安心できる学級づくり
単著 H24.5 『児童心理 2012年5月号』金子書房
全128 ページ
担当(108-113頁)
子どもが安心できる学級とは、自分のことも他者のこともその存在を認め合い、確かな学びができる学級であろう。日々の教育課程の実施に在って、ここに在る子どもの学級生活は安定し、集団活動や学習活動が十分に展開される。子どもは自らの成長を感得し、自分の個性や能力を発揮し、級友からも信頼される自己を形成することを可能にする。
  学力格差が生み出される課題
単著 H25.3 『学校力アップとカリキュラム・マネージメント』一般財団法人学校教育研究所編
全165 ページ
担当(42-45頁)
小学校は平成23年度から、中学校は24年度から新学習指導要領による教育課程がスタートしている(高校は25年度入学生から)。その理念は、「生きる力」を育むとして知識や技能の習得とともに思考力・判断力・表現力などを重視し、主体的に学ぶ意欲と態度を養うことである(学校教育法30条)。ここには社会の変化、とりわけ国際社会の動向に積極的に向き合い、自らの学習力を形成し、自律的に生き抜く日本人の育成が課題とされる。
  温かい人間関係を育む学級づくり
単著 H25.7 『教育展望 :臨時増刊№45』第42回教育展望セミナー
一般財団法人教育調査研究所:全124ページ:担当(86-91頁)
人間関係をどう考えるか、と問う。簡単に応じられない。その関係のあり様が問われるからであろう。手元の辞書をみると、英訳では interpersonal relationshipとしている。個人と個人の内面的な状況のかかわり合いを問題にすることであると解される。物理的な距離よりも感情的な結びつき(その強弱や高低)が気になる。第一に、教師が「ありのまま」で「純粋」であること、自己一致していることを問う。第二に、子どもとの関係で「~のようなという性質を失わないようにする」(共感・感情移入)ことが重要である。第三には、関係性の中での温かさや受容的な態度としての「肯定的配慮」の経験を挙げたい。
  スクールカウンセリングに必要な学校組織の基礎知識
単著 H25.9 『臨床心理学』第13巻第5号(金剛出版)全160頁
担当(43-48頁)
本誌の特集「対人援助職の必須知識:スクールカウンセリングを知る」において、その学校組織について論じた。特に、スクールカウンセリングの役割と使命に関して、(1)全教職員が一致協力して指導援助に当たる。校長がリーダーシップを発揮して指導助言する、(2)全ての児童生徒の健全な成長を促進する、(3)学校としての指導の方針を明確にする、(4)問題行動などの事態の発生時には迅速かつ毅然とした対応を行う、(5)スクールカウンセリングの態勢を不断に見直し適切な省察や評価・改善を行う、などを強調した。
  特別活動がはぐくむ能力・態度とは何か ―教科教育の視点から―
単著 H26.3 『日本特別活動学会 紀要 第22号』
特集論文
全98 ページ:担当(1-5頁)
特別活動の実践とその指導援助は子供の学校生活あるいは生き方そのものにあって、<学習する組織>(自ら学習し進化する組織:Learning Organization)として機能することが求められる。言いかえれば、「子供(たち)自身が求めているものに一歩一歩近づいていく諸能力を自分たちの力で高めていく集団」として特別活動が存在することである。そこに存在する人間(子供・大人)が互いに関係し合うことによって、求める目的を達成しようとするシステムが<学習する組織>としての特別活動の実践に包摂されているものと考える。
  生徒指導研究の技法 1パーソナル・ガイダンス論 単著 H27.9 『現代生徒指導論』
日本生徒指導学会編著
全199 ページ:担当(36-37頁)
パーソナル・ガイダンス(Personal Guidance)は、個人指導や個人的適応指導などと訳される。飯田(1976)によれば、戦後の我が国の教育界においてアメリカのガイダンス理論を移入してくる過程で、ガイダンスの一機能としてのPersonal Guidanceの訳語として成立したものと解されるとしている。Personalという言葉に「個人的な」や「個人の」「個人に関する」などの意味があることから、パーソナル・ガイダンスを「個人指導(個別指導)」、また実際の指導場面を考えて「個人的適応指導」「個に応じた指導」などと表現してよいであろう。
  自尊感情を育む指導 単著 H30.11 『学校教育相談の理論・実践事例集 いじめ解明』(第一法規)特集論文・全17ページ 自尊感情は<自分にはよいところがある>とする感覚のことである。自分に対する肯定的な感情である。この感情は、子供個々の学ぶ意欲(学ぼうとする力)を育てる。今回の学習指導要領(平成29年3月公示)では、「豊かな創造性を備え持続可能な社会の創り手」になることを求める。その資質・能力として、(1)知識及び技能の習得、(2)思考力,判断力,表現力等の育成、(3)学びに向かう力・人間性等の涵養の3つを挙げている。自尊感情は、これら(1)~(3)の能力を形成していくベースになる。また、子供の自尊感情を育むには、教師一人一人がカウンセリング感覚を身に付けることが大切である。すべての子供を肯定的に受け容れ、子供の言動に傾注し、そこにある感情を教師が一緒に味わうことが重要である。
  教師の自信  単著 R1.5 『指導と評価』図書文化 特集論文・4ページ <教師が自信をもつ>とはどんな状況をいうのか。そこでの教師は、「ありたい自己」と「現実の自己」がほぼ一致して重なり合っている。<したいことができている自分>と、<ありのままを受け容れている自分>がそこに同居していることである。例えば、目の前の子どもの話をそのままに聴いている、面積の求め方を子どもたちと議論して学び合う、同僚の教員と遠足の指導プランを検討し合うなど、自らの専門性を発揮し、ごく自然に<先生>を為している状況である。本稿では、子どもや保護者との関係づくりが<教師の自信>に大いに関与すると考え、カウンセリング感覚を身に付けることの大切さを具体的なケースをもとに論じる。
  社会性をはぐくむ 単著 R1.9 『学校教育相談の理論・実践事例集 いじめ解明』(第一法規)特集論文・全19ページ  サン・テグジュペリの『星の王子さま』の中に、<飼いならす>という言葉ある。社会性のあり様をうまく言い表している。相手にかけがえのなさを感じ、その気持ちを伝え合い、実りある人間関係をつくることである。社会性の一般な意味は、<人が社会的な存在として所属する集団や社会に能動的・適応的に存在し行動すること>である。ここに絶対的な基準性はない。他者との協調と自己要求のバランスによって涵養されていくものである。思春期前期ごろの「いじめの芽」に敏感になることがある。社会性の一局面として、この期の子供同士にある種の<駆け引き>がみられる。これを成長の変革点と考え、その意味や価値を子供と学び合うことが重要である。次代の教育の方向に、<社会的・職業的に自立した人間>の育成がある。ここに社会性の成熟度が関与する。予測困難な時代にあって主体的・対話的にしかも深く学び、自らの人生を自ら切り拓く生き方が求められる。
  「子供の自己形成に資する特別活動の再考」―総合的な学び:形式知と暗黙知の往還― 単著 R1.9 日本特別活動学会第28回沖縄大会自由研究発表(大会要旨集録p22所収) 特別活動の存在は子供の学校生活の基盤を成し、生きるエネルギーとしての総合的な学びに連関する。とくに、ⅰ集団活動(自発・自治)による実際体験、ⅱそれによる協働性の獲得、ⅲちがいを認め合う態度形成など。また、生活及び学習への涵養・機能の役割、生徒指導及びキャリア教育などの充実・発展などを担う。それゆえ、次の3点を提案する。①形式知より暗黙知の論を重視する、②学習指導要領の「文字数」の変遷に学ぶ、③「特活」の教育課程除外論は可能か?(「総合的な学習の時間」との連関を考える)。
  「新学習指導要領のねらいとこれからの特別活動」 (『学校教育・実践ライブラリ』に所収)  単著 R1.12  ぎょうせい『学校教育・実践ライブラリ』VOL,9(p14-17 有村久春執筆担当)   なぜ、今回の学習指導要領改訂で「主体的・対話的な深い学び」(通称:アクティブ・ラーニング)が求められているのか? 今回の改訂の方向性を示した中央教育審議会答申(H28.12.21)からその一端を考えると、「社会的・職業的に自立した人間」の育成が挙げられる。このことは子供一人一人が自分の生き方やキャリアを自ら探索する学びの力量形成にほかならない。まさにこれまでにも否これからも特別活動の役割と使命がそこにある。この理解は、次代の学校教育に求められる学ぶに向かう力や人間性の涵養などに直結するものである。そこにカリキュラムとして定着させたいのが特別活動と総合的な学習の時間および道徳のクロスである。この具体的な研究実践が各学校に求められる。
  「(第2章)学校生活や学習活動をどう充実するか」 単著 R2.9  学事出版
『ポストコロナ時代の学校教育』
第2章有村久春執筆担当
p41~59
 これから常態化していくwith coronaの生活様式のベクトルとは真逆のベクトルに、子供のこころが向くのではないか。不安と希望がよぎる。そこに道徳での語り掛けや総合的な学習での協働がより求められる。いままでの学びにも、子供たちとの距離をできるだけ近くに取り、熱い議論を交わし、相互の理解と信頼を深めることがみられている。我が国の先生は単に<物事を教える>だけでなく、子供個々の成長発達の全体像を見取り、そこに必要な指導援助の在り方を多様に工夫する。学習指導と生徒指導を止揚しつつそれを融合する教育を展開している。陶冶と訓育の統合である(総合的な学習の時間の意図がここにある)。コロナの事態は次代の生活の姿をも変貌させようとしている。コロナ後の子供の実体そのものが、必然的に教師たちに何を教えてくれるだろうか?そこに学びたい。
  「アセスメント・ベースの学校づくり・授業づくり」― いま、考えたいアセスメントの発想 単著 R2.10 ぎょうせい『新教育ライブラリPremier』Vol.4(p14-17 有村久春執筆担当) 子供が<自ら学ぶ>ことの大切さは、いつの時代にあってもヒトの自己成長の基礎になっている。とくに総合的な学習の時間の学びに求められるであろう。新教育課程の具体化では「学びに向かう力・人間性等の涵養」を挙げその実践化を求めている。充実感のある学び獲得のベースに資すると考える。この営みは、子供一人一人が<主体的に学習に取り組む>ことによって子供自身が自ら明らかにしていく学びである。すなわち<子供自らが学習の意義や価値を実感する>ことである。その援助や指導の役割に先生があり、学校も在る。ここにある学びの評価(各教科や特別活動・総合など)は子供が自ら<自己調整>しながら、少しずつ自己認知していくものと考えられよう。
  「「ゆとりの時間」と特別活動-昭和50(1975)年代の教育動向に学ぶ-」 単著 R5.8 日本特別活動学会重点課題研究プロジェクト「特別活動研究の研究史的メタ分析と特別活動原論の整理」の報告書『近代以降の学校教育と特別活動-日本の学習指導要領に着目して-』(有村論文:P115-140)全341ページ 昭和51(1976)年12月18日、当時の教育課程審議会(会長:高村象平)は文部大臣(永井道雄)に「小学校、中学校及び高等学校の教育課程の基準の改善について」(1)を答申し、子供たちの学校生活に<ゆとりと充実>を求めた。本論ではその答申の課題である<授業時数の削減>と<ゆとりの時間>について、その意義や実践例などを検討する。また、教育課程を構成する「特別活動」との連関やその方向性について考察するものである。当時の教育課程審議会答申(昭和51(1976)年12月18日)は、<今回の教育課程の基準の改善は,自ら考え正しく判断できる力をもつ児童生徒の育成ということを重視しながら,次のようなねらいの達成を目指して行う必要がある>として、そのねらいを3つ示している。すなわち、(1) 人間性豊かな児童生徒を育てること、(2) ゆとりのあるしかも充実した学校生活が送れるようにすること、(3) 国民として必要とされる基礎的・基本的な内容を重視するとともに児童生徒の個性や能力に応じた教育が行われるようにすること、である。とくに、(2)において「ゆとりのあるしかも充実した学校生活」との文言を用いて、当時の教育問題であった受験競争や塾の過熱化、児童生徒の問題行動(非行)の増加などから、学校教育の本質は何か?を問う命題があったものと考察する。
口頭発表(平成17年以降)
  著書、学術論文等の名称 単著
共著
の別
発行又は発表の
年月日
発行所、発表雑誌等又は発表学会等の名称 概要
  「人間関係形成の基盤」について 単著 H24.11 日本特別活動学会(平成24年度第2回研究会)
上越教育大学
特別活動の実践では子供の人間関係の在り方を重視する。いじめ問題や不登校の予防や指導援助の基本要件にもなることを提案する。具体的には、(1)自他理解のバランスの崩れ、(2)カウンセリング感覚の在り方と習得、(3)エリクソンの発達課題の考え方、(4)学級活動における授業実践などについて発表した。
  「体罰問題と生徒指導」について 単著 H25.6 日本生徒指導学会:常任理事・関東支部会(第4回研究会)
文教大学
大阪市立桜宮高校の体罰による生徒の自殺事件をふまえ、文部科学省の対応や学校等の動きを分析して以下の視点から、具体的な提案を発表した。
(1)体罰の事例・実態、(2)体罰の理解・認識、(3)人権問題としての体罰、(4)生徒指導の考え方、(5)生徒指導論的教師、など。また、生徒指導の視点から(1)自己理解の重視、(2)問題解決する機会と場の提供、(3)将来展望につながる開発的援助の3点を提案した。
  魅力ある「学級づくり」「学校づくり」に果たす特別活動の役割 単著 H25.8 日本特別活動学会:第22回大会シンポジウム
鎌倉女子大学
特別活動の中心である学級活動(HR活動)の役割について、(1)学級づくりの中心的な活動(自発・自治+居場所=適応)、(2)自他理解の深化(人間関係の形成)、(3)コミュニケーション能力の獲得(話合い活動、対話:dialogue、GD)の重要性を提案した。また、有村が担当した調査データ(h25:研究開発委)の調査数値を示して、「時間不足で十分に課題を深めることができない」72.6%、「教科の時間が重要と考え軽視してしまう」57.9%、「あれもこれもと課題が多すぎる」57.6%の3項目に注目したいと提案した。
  いじめ根絶 : 特別活動への期待 単著 H26.1 日本特別活動学会:公開シンポジウム
文部科学省科学研究費補助金:研究成果発表
国立オリンピックセンター
以下の4点を提案し発表した。(1)「いじめ問題」は複雑かつ深刻な事態にある。文科省の調査でも昨年の大津市の事件前後では、その認知件数の数値に大きな差がみられる(見えにくさの再確認)。(2)「いじめ」の定義の困難さを改めて考えたい。精神的な苦痛をともない深刻な事態に至ることがある。未然防止、早期発見を最優先する(逆に過敏性や助長性も問題か)。(3)いじめ防止対策推進法(25.6.28成立)の意義とその効果および課題等を検討したい。(4)いじめの深刻さゆえに心的外傷の問題が大きい(含:言葉の暴力やネット(LINE))。
  未来を展望する学校教育相談 単著 H26.8.9 日本学校教育相談学会:第26回研究大会(群馬大会)
群馬県生涯学習センター
学校教育相談の在り方について、4つの視点から提案と発表を行った。(1)カウンセリングを学ぶ(その目的、カール・ロジャースの論、カウンセリングプロセスの実際)、(2)学校カウンセラーの役割と研鑽(その役割、子供の発達課題、カウンセラーの態度:傾聴や相談方法、学校組織の在り方)、(3)スクールカウンセリングへの期待(文科省の施策、今後の方向性と次代の教育など)、(4)気がかりなこと(いじめ問題、次代の生き方の不安など)
  特別活動の講座をどのように構成するか 単著 H27.2 日本特別活動学会:研究開発委員会 ラウンドテーブル
武蔵野大学
特別活動の講義の進め方、学生の理解の程度などを把握したうえで、シラバスを作成する。主な提案内容は、特別活動の課題把握、実践課題にもとづく「私的特別活動論」、学習指導要領の内容検討(私論との比較)、特別活動の内容と教育論、特別活動における集団論など。
  未来志向型コンピテンシーを育む特別活動の理論と実践―第1次報告―」 単著 H29.8 日本特別活動学会:第26回研究大会 課題別研究1 指定討論
椙山女学園大学
「集団や社会の形成者」としての自己形成の必要性 
学習指導要領改訂に先立って、中央教育審議会が示した答申(平成28年12月21日)は、国際社会の動向や時代の変化などに応じる観点から「社会に開かれた教育課程」の実現をその中心課題としている。とりわけ、各学校・教師に<主体的・対話的な深い学びのある授業改善>を求めている。
  国際バカロレア(IB)が求める人間像の検討 単著 H30.8 日本特別活動学会:第27回研究大会 シンポジューム・コーディネータ(企画提案)
武蔵野大学
次代に求められる教育論の一つとして、国際バカロレア(IB)の10の人間像が考えられる。本学会では、この理解に注目し、これからの特別活動に必要な資質・能力を考察する。とくに、学習の方法(approaches to learning)やコミュニティーと奉仕活動、人間の創造性、多様な環境、保健教育と社会性の教育などの視点から、知識を統合された総体的なものとして示し、子供がより広く、より複雑なグローバルな課題に対する認識を高めることが期待されていることを提案する。
  子供の自己形成に資する特別活動の再考
総合的な学び : 形式知と暗黙知の往還
単著 R1.9 日本特別活動学会 第28回沖縄大会(沖縄大学)
自由研究発表
改めて「特活」の役割を問う。特別活動の存在は子供の学校生活の基盤を成し、生きるエネルギーとしての総合的な学びに連関する。とくに、ⅰ集団活動(自発・自治)による実際体験、ⅱそれによる協働性の獲得、ⅲちがいを認め合う態度形成など。また、生活及び学習への涵養・機能の役割、生徒指導及びキャリア教育などの充実・発展などを担う。とくに総合的な学習の時間の在り方を提案する。
  「ゆとりの時間・生きる力・キャリア教育と特別活動」(「歴史研」の発表) 単著 R3.6 日本特別活動学会:令和3年度第1回研究会(オンライン) 研究報告「歴史的な変遷から学ぶ報告③」として、以下4点について、研究成果を発表する。①戦後の学習指導要領の改訂の経緯をたどる、②とくにS52年改訂のいわゆる「ゆとりの時間」の意義を考察する、③その中で「自由研究」(S22)と「総合的な学習の時間」(H10)との連関を重視する、④その変遷にプロセスに<生きる力とキャリア形成>の有り様がみられることを提案する。
  「特別活動の歴史的動向と未来の子供」(大会シンポジウム:指定討論)   R3.8 日本特別活動学会:第30回研究大会(令和3年8月)シンポジウム:指定討論者としての提案 とくに、総括的論点として、A特活の時数だけでは収まらない?、B「別表第1・2」の改正OR廃止は可能か?、C日本型教育への依存・維持の脱却は?、Dトッカツ(特活)は未来の教育展望しそのキャスティングボードを担えるか?の4点を示し、討論者4人の学会員(安井、松永、村瀬、西野)の議論をコメントした。安井:「自治」×「文化」=「特活」*生活重視?、松永:実践の確かさ:子供の成長事実に学ぶ(逐語記録の分析)、村瀬:「ヨコとタテ」の論から社会の形成者へ⇒Identity形成・思春期をどう問う?、西野:OECD提案は日本教育を変革するか?⇒学びの主役交代は可能か?などがその焦点になろう。
  「特別活動を中核に据えたインクルーシブな学級づくり」(大会シンポジウム:指定コメンテーター)   R5.3 令和4年度 日本特別活動学会 第2回研究会:広島大学大学院人間社会科学研究科 インクルーシブ教育とエンゲージメントに関する基調提案、そして特別支援学級におけるインクルーシブな学級づくりに関する実践報告について、教育相談(カウンセリング)と学級経営(先生力)の視点からコメンテーターの役を果たす。とくに、教育相談は、一人一人の児童の発達と教育にかかわる諸問題を課題としていること重視する。また、本人及びその保護者などに必要な心理・教育的援助を行うものである。それぞれの当事者が問題を柔軟にとらえ直し、その解決に向けて主体的に努力する過程を尊重し、その過程が円滑に生じるように側面から可能な援助をすること等を述べた。
  「子供の成長をおびやかす<ショック・ドクトリン>-改めて生徒指導の機能を問い直す ―(自由研究発表) 単著 R5.11 令和5年度日本生徒指導学会 第24回東京あだち大会
文教大学(東京あだちキャンパス)
本研究は、次代を生きる子供の未来にある生徒指導の位置を問い直そうとするものである。生徒指導の機能が子供個々の学校生活に必要かつ十分に作用してこそ、その子供の確かな成長発達と生き方の保障がみられる。しかし、現下ではそれをおびやかす教育政策(ショック・ドクトリン:SD)が種々散見されよう。例えば、法的解決に偏するいじめ・不登校対応、創造的な学びを抑圧するリキュラムマネジメント、成果主義をベースにしたキャリア指導の実際、働き方を標榜しつつも子供の理解や援助を回避する勤務実態などである。その背後に、経済優先のドクトリンの功罪が見え隠れする。それらの課題を超え、子供自らが生きる生徒指導の価値と方途を模索したい。
講演・その他(平成17年以降)
  著書、学術論文等の名称 単著
共著
の別
発行又は発表の
年月日
発行所、発表雑誌等又は発表学会等の名称 概要
  演題:「教員の保護者対応」について 単独 H20.6 文部科学省・教職員管理主事等研修会講師
(受講者:約120人)
管理主事の立場にあって、保護者への対応をどのように考えるか、以下の3点を講義した。(1)苦情対応(苦情の心理、対応の実際)、(2)管下の教師への指導・援助の在り方(カウンセリング感覚、メンタルヘルスケア、説明責任(accountability、responsibility)、「感情労働」(肉体労働、頭脳労働)、(3)行政対応(組織的な相談機関体制、教員の勤務負担軽減、人事管理:教職員のコンプライアンス感覚)など。
  演題:「学級経営の在り方(こころをつなぐ)」について 単独 H22.11 長野県総合教育センター研修会講師:講義と演習
(受講者:約50人)
県内の教員を対象に、以下の4点を講義し演習によって内容を深めた。(1)子ども理解(子どもの存在、子どもの「よさ」に学ぶ、学力を問い直す、自己理解と人間関係形成能力)、(2)子ども社会の時代性(発達課題の克服、子どもに求められる能力、キー・コンピテンシー)、(3)授業の構想(教材と展開)、(4)学級経営の基本(「工学的アプローチ」と「羅生門的アプローチ」→その機能性、学級集団の形成)など。
  演題:「生徒指導の在り方・問題行動等の理解」について 単独 H24.8 石川県教育センター「10年経験者研修講座」の講師
(受講者:約120人)
教員経験10年目の教員に対して、生徒指導の在り方を中心に、以下の4点を講義した。(1)子供の問題の状況(いじめや不登校のデータおよび事例)、(2)生徒指導とは?(今日的な問題点)、(3)これからの学校教育の方向・背景(学力との関連、教師の指導性)、(4)指導援助の在り方(子ども理解、組織論)など。また、学級経営の目的として、教育目標を具現化する一つの営み、児童生徒の学校生活の基盤を成す、学年経営及び学校経営との一体化を図る、などを強調した。
  演題:「児童生徒の健全育成」について 単独 H25.5 都道府県教育委員会等指導事務主管部課長会の講師
(受講者:約90人)
於:鹿児島県県民ホール
都道府県の教育行政担当者に、4つの論点と提案について講義した。論点―(1)次代をどう生きる?、(2) 「健全」とは?、(3)学校と教委の関係は?、(4)生徒指導の理解は? これらについて、国や県等のデータをもとに論点を整理した。また、提案―(1)エンカウンターの発想、(2)カウンセリングの発想、(3)発達課題を問う、(4)次代の学校は?を話した。そして、(1)子どもが学習課題を選択する、(2)教師が自らの専門性を発揮する、(3)各学校が教育課程を編成・実施する、の3点を重点としたい旨を講義した。
  演題:「学級経営・学習指導に生かす教育相談」について 単独 H25.7 足立区教委:教育相談基礎研修会の講師
(受講者:約35人)
比較的若手の教員を対象に、教育相談の4つの重点を講義した。(1)学習指導の考え方(learning の重要性、「学力」を考える)、(2)子どもを理解すること(気になる子ども、教育の意味、学習の組織化)、(3)カウンセリングの発想(子どもを「わかる」こと、子どものレジリエンス (Resilience) を育てる)、(4)個が育つ学級経営・学習指導、など。
  演題:「スクールカウンセラー(SC)の組織的活用」について 単独 H26.6 都教委:平成26年度スクールカウンセラー配置校連絡会の講師
(受講者:約200人)
スクールカウンセラー(SC)配置校の校長を対象に、とくに初期対応の重要性を講義した。主に、(1)副校長に教諭への指導を指示する、(2)学年主任に事態を話し対応を指示する、(3)担任に学級の状況を聞く、(4)SCに直接ケースの内容を聞く、(5)SCを介して保護者に会う機会をもつ、(6)主幹に教育相談研修会の企画を指示する、(7)校内巡視の際に教員の授業を参観する、(8)教育相談主任に臨時ケース会議の開催を指示する、など。
  演題:「地域・保護者対応における組織的対応」について 単独 H26.9 府中市教育委員会:教職員研修会の講師
(受講者:約200人)
主として主幹・主任の教員を対象に、保護者・地域連携の基本を講義した。その重点は、(1)学校が子どもや保護者の問題、地域の課題をすべて抱えることは困難であること、(2)外部の機関等を有効に活用し互いの専門性を発揮するのと。また、互いの立場を尊重する、自らの役割を自覚し互いのよさに気づく、まず連携・協力してみることなどを提案した。
  演題:「いじめの未然防止に向けた学級経営」について 単独 H27.8 東京都教職員研修センター専門性向上研修 生活指導1Aの講師
(受講者:約320人)
東京都の教員を対象に、いじめ問題について、1未然防止・早期発見の取組、2学級経営・生活指導の充実、3教員と児童・生徒の信頼関係の構築、4 「いじめ発見チェックシート、実態把握アンケートなどの視点から講演した。
  演題:「保護者対応の基本 - 相手の悩みを聴く」について 単独 H28.6 宮崎県教育研修センター:平成28年度課題対応研修
(受講者:約120人)
宮崎県の教員を対象に、①クレームを言われた際、まず、どのような対応で保護者の心をつかむか、②保護者とトラブルになった事例に学ぶ、③うまく解決することができた具体的な実践例等に学ぶ、などの視点から講演した。


  演題:「コーチング」について 単独 H28.7 国研:教員研修センター:平成28年度中央研修(受講者:約240人)
全国の中堅教員による中央研修参会者に、コーチング の概念と演習、その問題解決等講義する。主な内容は、①個人の潜在能力を開放し、その人自身の能力を最大限に高めることである。⑫思考を刺激し続ける創造的なプロセスを通して、クライアントが自身の可能性を公私において最大化させることなど。

  演題:「学級経営の充実と新教育課程の展開」について 単独 H29.7 足立区教育委員会:平成29年度教育相談基礎研修会(受講者:約35人) 学級経営の基本的な考えについて、基盤経営、集団経営、授業経営、環境経営などが重要であること。また、教育課程の改訂に伴い、日々の授業等の充実を図り、児童生徒に「わかる授業」を行うこと。組織的な対応として、学年主任のリーダーシップの発揮の理解を深めることなどを助言した。
  演題:「教育に関する法令の理解と教師の力量」について 単独 H29.8 葛飾区教育委員会:平成29年度中堅教員研修会(受講者:約38人) 葛飾区の教員に対して、中堅教員として理解しておきたい以下の法令等について解説と活用に関する指導をした。いじめ防止対策推進法、学校教育法、学校教育法施行規則、教育基本法、地方教育行政の組織及び運営に関する法律、教育公務員特例法、学校保健法、児童虐待の防止等に関する法律、学習指導要領など。また、これらの理解のために、事例等を用いて、具体策を検討する研修を実施した。 
  書評 木内隆生著:「 思春期青年の協同性プログラムに関する開発的研究」(博士論文) 大学図書出版,2016.7 単著 H29.3 『日本特別活動学会 紀要 第25号』
特集論文
全88 ページ:担当(67-70頁)
本書は、木内隆生氏がこれまでの研究成果を博士論文として仕上げた著作である。四半世紀に及ぶ高校教師の実績を踏まえ、大学での研究者としての諸理論を踏まえた教育臨床学的な研究内容である。質・量ともに実に充実感があり、学び甲斐(納得と発見)がある。研究論文としての論理性と客観性の高さとともに、生徒たちの生き方や日々の教育実践を大切している木内氏の<先生愛>ともいえる温かさも感受するところ大である。表紙をめくると、生徒たちのグループワークの作品集に目を奪われる。生徒個々の学びとグループの協同性が鮮やかに伝わってくる。次代に求められる教育の一端がここにあると学ぶ。木内氏の生徒の主体的活動を大切にする姿勢が伝わる。
  演題:「人権教育の課題」について 単独 H30.10 広島県教育委員会:平成30年度広島県人権教育指導者養成研修会(受講者:約50人)
人権尊重教育推進について、学力の形成、いじめ問題の解消に取り組むこと、個別人権課題の指導を計画的に行うことが特に重要である。また、日々の授業について、生徒理解に根差した授業展開が必要であり、各グループの話し合い活動の充実や人権課題に関する教材の開発が求められる。さらに、地域社会の理解と共同の在り方・考え方、地域の実態把握なども重要である。
  演題:「武蔵野市の人・もの・ことを活用した生活科・総合的な学習の時間の研究の在り方」 単独 H31.1 武蔵野市立小中学校教育研究会:総合的な学習の時間・生活科研究部会(参加教員:36人) 総合的な学習の時間に実施する第6学年の授業(題材:「未来に向けて」)について、総合的な学習の時間の目標や指導内容等について、学び合う。具体的には、①いま、なぜキャリア形成なのか?(6年生が求める夢や希望に学ぶ)その視点は、働く人の思い・願いを知る、自らの将来を考える、自分で挑戦するなどである。②発達課題を踏まえた指導・援助をする。6年生の段階での学びの獲得を考える(総合的な学習の時間の学習の目標など)。③次代に求められる資質・能力は? 例えば、エンゲージメント、メタ思考、社会的な動向など。
  演題:「次代の教育を考える」(台東区教育委員会教育懇話会) 単独 H31.2 台東区教育委員会:平成30年度教育懇話会(受講者:約20人)
次代の教育の在り方について、内閣府や文部科学省の答申や指針をもとにPPポイント資料をもとに講演した。具体的には、新たな社会(Society :5.0)に向けた教育の方向性、そのための教育行政の支援と提言の在り方(とくに理念・企画、財政、実践の側面から)、各学校における総合的な学習の時間の目的理解とその展開、人生100年を生きる基盤づくるのための子どもの成長・発達的な理解、OECDが提案するキー・コンピテンシー  (KEY COMPETENCIES)の理解、「生きる力」の涵養の在り方、時代の変化と社会の多様性などにつて論じた。
  講演:「SOSを出す力・受け止める力を育む」 単独 R1.5 東京都教育委員会:自殺予防教育連絡会(受講者・都の公立学校長約500名) 子供の健全な成長を求める観点から、子供の「援助希求」 (ヘルプシーキング)にどのように向き合うのかを具体的な例示によって講義する。子供が時折感じる対象喪失(object loss)の問題にふれる。例えば、①近親者の死や失恋などの体験、②住みなれた環境や地位・役割、故郷との別れ、③環境に適応するための仕事や立場などの喪失など。とくに、「先生」のアプローチとして、①子供との温かい応答 (カウンセリング感覚)、②相手を尊重するかかわり (アサーション)、③相互の感情体験 (ロール・プレイング)、④怒りの対処法 (アンガーマネージメント)、⑤自他の見方を変える (メタ思考)などがその援助法として求められることを論じる。
  講演:「学生の学びに学ぶ」 単独 R1.8 令和元年度 FD・SD合同研修会 東京聖栄大学(本学教員約30名) 今日的な大学教育の課題等をふまえ、とくに本学の学生にどのような<学び>が必要なのか、一つの提案を行う。大学改革の動向を考えると、例えば「1 学生のキャリア支援は?」「2 「学び」の相互連関は?」「3 「先生」の職と研究は?」などの観点が重要と考える。リテラシーの授業を基本にして、①勉強にはどんな意味があるか、②効率的な勉強のためにまず何が必要か、③集中するための好ましい条件とは何か、④どう聴けばよいか、ノートをどうとるか、⑤記憶力を高めるにはどうすべきかなどの視点から、学生との学びの構造を考えることを提案する。
  講演:「生きる」 ということーBeing を実感する 単独 R2.2 清瀬市 命の教育フォーラム
清瀬市教育委員会(市民・教員等約80名)
いわゆる「いじめ」の問題や虐待などの課題について、子供の発達やキャリア教育の視点から生きることの大切さを講じた。とくに、マズローの自己実現の心理やフロイトの自我論などをもとに生きることを実感すること、自己肯定感を高める実践的なアプローチなど具体例をもとに講じた。また、ロープレイングなどの体験をもとに今の自分を大切にすることを述べた。
  講演:「教育課題研究の方向性」 単独 R2.11 東京都教職員研修センター・教育課題研究発表会(センターの指導主事等約40名) 東京都の教育課題について、教科教育における認知特性およびいじめ問題、自尊感情の獲得などの課題を論じた。とくに次代を担う子供たちにとってメタ認知の獲得それにともなう日々の授業構造の変革、教師の子供理解のあり方などが重要であることを提案した。
  講演:「学びを創造する」 単独 R3.11 台東区教委・蔵前小学校 研究発表会(区内教員等:約150名参加) 研究テーマ「わくわく・どきどき・チャレンジ蔵前」につき、「問いと反応」 に学ぶ研究の重要性を講演する。とくに、 教師の問いと 子供の自問自答にどのように学ぶのか、子供のメタ思考をどのように引き出すのかを問いかけた。そのポイントは、矛盾に気づく、方策を選択する、別な角度からみる(客観化する)、注意深く省察するなどである。
  講演:「次代の学びを構想する:既成の教育論を超える」 単独 R4.2 葛飾区教育委員会「葛飾教師塾研修・ 最終回」発表会(参加者:塾生16名担当者6名、計22名) 自己の<学び>を探究することの重要性を講義した。とくに、①学びの課題を問う、②次代の子供の存在(方向性)を問う、③個と集団・組織の在り方を問い直す、④そして、私の「専門性」を問うの意義を深め合う話をした。また、次代の子供たちに求められる<教育の未来をデザイン>の在り方を提案した。
  講義:「授業・学級経営に生かす教育相談」 単独 R4.7 足立区教委:「令和4年度教育相談研修会 Aコース」足立区こども支援センターげんき(参加者・小中学校教員・34名) 教育相談におけるカウンセリング感覚の意義とその活用について講話した。とくに、①子供をよく<みる>こと、②「先生」の存在を探究すること、③学びと授業の在り方を問うことを話した。また、児童(生徒)が自己の存在感を実感しながらよりよい人間関係を形成すろこと、現在及び将来における自己実現を図っていくことを、学習指導と関連付けながら生徒指導の充実を図ることも重要であると講義した。
  講演:「生徒指導の意義と原理・不登校」を考える」 単独 R4.8 独立行政法人教職員支援機構山口大学センター・山口県教委 「生徒指導研修講座 第1回」(受講者:小中高校教員45名、担当者6名、計51名) とくに不登校児童生徒への支援の在り方について、社会的自立へ向けた進路選択の重視を話す。また、そのポイントとして、(1)児童生徒理解・教育支援シートのを活用、(2)不登校予防の学校づくり(いじめ・暴力行為等を許さない)、(3)不登校児童生徒に対する効果的な支援の充実(専門スタッフと連携協力、など)、(4)多様な教育機会の確保(ICTを活用した学習支援など)が大切であることを講演した。
  講演:「グループリーダーとしての人材育成」 単独 R4.10 令和4年度神奈川県立総合教育センター・新任総括教諭等研修講座(県立学校):受講者:小中高校教員85名、担当者3名、計88名) グループリーダーとしての組織論を述べる。とくに組織の「タテとヨコ」の関係性を語り、それ相応の組織をつくりと必要かつ求める職務を遂行の在り方を論じた。いわゆる校務分掌の推進の在り方、その中核としての教育課程の展開例等を解説する。とくに、経営上の校務推進(タテ)と教職員の職務満足(ヨコ)のマトリクスの把握の重要性を論じた。
  講演:「子供の学び中心の実証的研究と未来の教育」 単独 R5.1 葛飾区教育委員会研究指定校:道上小学校研究発表:参加者:小中教員約160名、区教委担当者約10名、計約170名) 算数科の授業を通して、「習熟度」 による学びの探究の在り方を講演した。とくに、①レディネステストによるコース分けの基準、②それに対する子供の理解・納得(希望)、③各コースの子供の学びをどう分析するか、④各コース(4展開)の人数配分とその妥当性)、⑤各コースの比較検討(通常スタイルにも言及)、⑥授業展開における「問い」と「反応」にどう学ぶか、などを論じた。
  講義:「教職の学び と 「先生力」」 単独 R5.6 日本獣医生命科学大学:教職特別講義:受講学生25名 教職を学ぶ学生に、教育の意義と教職の重要性を講義する。とくに、今日的な課題であるいじめの問題や教員の多忙化の課題等を演習的に学び合い、議論しあった。
  講演「いじめをしない、させない、見過ごさない学校経営」ー いじめ問題の基本認識と取組のポイント 単独 R5.12 港区立小学校長会 研修会(学校経営):受講の校長等21名 とくに、いじめ防止対策推進法(H25)の制定以来、小さないじめ問題をも見過ごさない学校経営が求められている。いじめの認知(発生)件数の推移や教員個々への指導援助、保護者への対応など事例を交えて具体的に提案する。その意義等について検討し合う。

TOP