サンデークッキング-親子で学ぼう楽しい食育-

<一般社団法人全国栄養士養成施設協会後援>

1.目的

現代は食の外部化が進み、各種の調理済み食品・加工食品の利用、外食の機会が増えている。最近では調理済み惣菜を持ち帰り、家庭で食べる「中食」も増えている。子どもを持つ主婦たちは、例えば朝食を作る時間がないので、コンビニの菓子パンやおにぎり、夕食はテイクアウトの弁当を食べさせるといった状況が多く見られる。こうした中で、家族そろっておいしく食べる習慣を身につけさせるためには、どうすれば良いのか、「サンデークッキング」の食育において、保護者にも考えるきっかけとしてもらう。「サンデークッキング」の実習では、食材の特徴を知り、食材を自ら調理することで、子どもたちの食べ物への興味を引き出す。また、「いただきます」「ごちそうさま」等の挨拶を通して、食事のマナーを身につけさせる。

2.対象者

小学校3~6年生 およびその保護者

3.実施者

東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科
教授 橋場浩子
東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科
助手 宮本理恵
東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科
助手 本間優理亜
東京聖栄大学 健康栄養学部 管理栄養学科および食品学科
1~3年次生

4.実施日時

平成26年11月9日(日)11:00~13:30『聖栄葛飾祭』開催日

5.具体的な方法・流れ

  1. 小学生にふさわしいランチメニューを決定する。*本学学生考案レシピ参照<6.(2)>
  2. 三色食品群について学生が解説し、ランチの食材は三色食品群から選ばれていることを理解させる。さらに、食事は主食・主菜・副菜が基本になっていることを解説し、ランチメニューの構成も理解をさせる。ここまでは、保護者の方にも参加して頂く。
  3. 学生が示範台で、ランチの作り方のデモンストレーションを行う。
  4. 小学生は3~4人ずつ6台の調理台に分かれて、ランチ作りを行う。各台に学生が数名ずつ付き添う。「いただきます」の挨拶をして、試食する。
  5. 小学生は「ごちそうさま」の挨拶をして、おみやげと写真をもらい帰る。

6.実施内容報告

(1) 小学生児童および保護者への「食育教室」

テーマ:
「三色食品群について」「バランスの良い食事について」
対象者:
小学生19名、保護者5名
時間:
約30分

食育のお勉強始めま~す食育のお勉強始めま~す

三色食品群の分類できるかな?三色食品群の分類できるかな?

真剣な表情真剣な表情!!

保護者の方も熱心に聞いてくださった保護者の方も熱心に聞いてくださった!!!

(2) 小学生とともに「サンデークッキング」の実習

対象者:
小学生19名
時間:
約2時間

本学学生考案レシピ [栄養満点!にこにこランチ]

(ピザ生地には、ほうれん草のペーストを混ぜ込み、パンナコッタのソースも全て手作りとした。)

デモをするお兄さん、お姉さんデモをするお兄さん、お姉さん

さあ、ピザを焼こうさあ、ピザを焼こう!

サラダを取り分けてサラダを取り分けて!!

皆でいただきま~す皆でいただきま~す!!!

(3) 保護者の方の感想〈自由記述式〉

  1. 帰って、子どもに、バランスの良い食事が必要であることを再認識させ、しっかり3食バランスよく摂取するよう伝えたいと思います。
  2. 食事を作るだけでなく、食材の栄養を子たちと一緒にたのしく学ぶことができました。分かっているようで忘れてしまっている事もあったので、よかったです。ありがとうございました。
  3. 友達と参加できて、とても楽しみに、また楽しそうでした。栄養のことについて、食育も学べる良い機会だと思います。来年もまた企画していただければ参加させてみたいです。
  4. お兄さん、お姉さんがクイズ式で教えてくれたので、子どもが楽しく聞けたと思う。サンデークッキングは初めてですが、調理実習が無料でできてありがたいです。
  5. 食について表やイラストを用いた説明で、わかりやすかった。カルシウムだけ摂っていてはダメなので、体内に吸収しやすくしてくれるキノコ類などと一緒に摂るなどの組み合わせなどの説明があると、子どもたちはもっと食に興味を持つのではないかと思う。

7.まとめ

6.(3)に示したようにサンデークッキングの食育は保護者にとっても好評であった。中には、カルシウム源となる食品とその吸収を助ける食品との組み合わせについての発言もあり、参考になった<6.(3)感想⑤>。小学校の家庭科ではそこまで言及していないので、今回は取りいれなかったが、ビタミンCが鉄分の吸収を高めるなど、組み合わせの効果についても、来年度は取りいれたいと思った。

その後の実習では、ピザ・サラダ・デザートづくりにどの児童も熱心に取り組んだ。特に、ピザ生地を伸ばして、トッピングを乗せる作業は大変楽しそうであった。自分たちで作ったせいか、どの班も完食していた。帰りには児童におみやげと写真を渡し、「来年も来てね」と声がけをした。

一方、学生のほうは、児童の興味をひきつつ内容のある食育にするため、何回も案を練り直したようである。また、児童が飽きないように実習のデモンストレーションをすることが、いかに難しいかも実感したようである。このように、学生にとっても、大変、勉強になるイベントであった。

食育への保護者の参加は、今年度初めての試みで、来年度はより多くの方に参加してもらえるよう働きかけていきたい。また、食育の内容もより充実したものにしていきたいと思う。