日本で食べる外国の食べもの ~本場のものと比べる~

日本で食べられている世界の料理について特徴を明らかにし、これにより、各国の食文化を垣間見ることができる。海外の食文化に興味のある高校生にわかりやすく解説をするため、東京聖栄大学において公開講座を行った。また、『聖栄葛飾祭』(大学祭)では、世界の料理をテーマにポスターを制作して、一般の方にわかりやすく解説する機会を設け、海外の食文化を広く伝えた。

Ⅰ. 夏の公開講座

高校生を対象とした公開講座を、平成30年8月24日(金)午前、午後の2部式で、下記要領で開催した。

午前の部

万能食材! “卵”の魅力 ~栄養豊富な卵を使った料理を作って食べよう~

午後の部

ミクロの職人 ~食品を作る微生物を見てみよう~

概要

午前は万能食材”卵”の魅力と題して調理実習を行った。初めに卵は栄養があり、いろんな料理に使用できる万能な食材であるなどの講義を行い、卵の膨化性の説明では2種類のスポンジケーキを比べた。空気の入り方によってふわふわとしっかりと違いがあること、合わせる食材によってどちらを選んだら美味しくなるかなど、考えて調理を行うことが大切との話があった。その後、卵を使った料理を作った。学生が参加者にアドバイスを行いながら、一緒に楽しく調理し、食品を扱う技術や知識を学んでいただいた。(写真1,2)

その後、昼食を兼ねて試食を行った。参加者はどれも美味しいと喜んで残さず食べていたが、デザートのプリンが一番良い講評をいただいた。(写真3)

午後はミクロの職人と題して微生物を使って実験を行った。パンやお酒に利用される酵母を使って、醗酵を体験した。固定化技術を使って、固定化酵母を作製し、アルコール発酵を行った。固定化酵母は、学生に教えてもらいながら一緒に楽しく作っていた。(写真4,5)その後、微生物を実際に見るために顕微鏡観察した。今回使った酵母だけでなく、納豆、ヨーグルト、麹から取った微生物も観察し興味関心を深めていただいた。参加者は今回の内容において、食品に大変興味を持ち満足していただけた。

写真1

写真2

写真3

写真4

写真5

Ⅱ. 『聖栄葛飾祭』(大学祭)でのポスター展示

平成30年11月3,4日の2日間にわたり、東京聖栄大学で開催した大学祭『聖栄葛飾祭』に日本フードスペシャリスト協会の補助を受けて参画し、ポスター展示を行った。(写真6,7)

写真6

写真7

概要

来場者に海外の食品と食文化について理解と興味を深めてもらうことを目的に、世界の料理をテーマに各研究室の学生がポスターを作製して展示した。(表1)

表題 研究室名

世界で食べられているくさい食べ物ベスト5

生化学研究室

世界のパン

応用微生物学研究室

世界のチーズ

応用微生物学研究室

オリーブオイル

食品衛生学研究室

ラーメンの歴史、そして今

食品加工研究室

ドンドルマ様アイスクリームの製造

食品学第1研究室

抹茶について

食品学第2研究室

抹茶の機能性と世界での使われ方

食品学第2研究室

てんぷらとフリッター、何が違うの?

調理科学研究室

世界の料理-日本にきたらこんなふうになちゃった!!―

調理学研究室

Ⅲ.総括

世界の料理について、本場のものと日本で流通しているものとの違いを比較して、それぞれの特徴を明らかにすることを目標に、学生たちが文献を検索し考え、まとめたことにより、多くの知識を得ることができた。日本とは違う海外の食文化を意識することにもつながったようだ。フードスペシャリストを目指す学生たちはこれらの調査と解析を行うことで、アクティブ的に学習できたと共に、資格取得へのモチベーションも高めることができたと考える。また、大学祭でのポスター発表により、地域の人々にフードスペシャリストへの関心と認識を高めることもできたと考える。