協働事業「ふれあい共食会事業」講演会
―大丈夫ですか?防災に備えた非常食の準備

1.目的

昨今、大地震が頻繁に起き防災の必要性が謳われている。また、災害時に最も健康に問題のおきるライフステージは、高齢者である。今回は、対象層を高齢期におき、以下の3点について講演及び実技により、理解を深めて頂くことを目的とした。

  1. 非常食の必要性について
  2. 準備すべき非常食について(市販品の見本を用意)
  3. 災害時の食事の摂り方について(実技:簡単調理と試食)

2.本テーマのねらい

  1. 災害時に考えられる生命維持に必要なことを明確にする。
  2. 災害に備え、事前に用意しておくものを明確にする。
  3. 緊急に備え、持ち出せる状態を整える。
  4. 近隣のスーパーやコンビニに置かれている食材でも中には非常食の代替ができる物があることを知る。
  5. 自分(高齢者)の生活を振り返り、災害に備えているかを見直す機会とする。
  6. 心身の衰えを自覚し、災害時に備え栄養や食事の摂り方を理解する。また、自己管理能力を身につける。

3.学生と共に実施する意義

将来、食育を実践する立場となる本学生において管理栄養士養成の視点から有益であると考える。高齢者へのアプローチ方法や震災時の食生活の問題点などを具体的に学び、管理栄養士の仕事に対する意欲や姿勢を高める機会となり、教育効果が大きいものと考えられる。

また、食と健康に関する情報の発信源となる。講演会だけではなく、学園祭において展示をすることで、講演会の内容を評価、まとめることも出来、企画・計画・実施・評価まで全てに関わり一連の流れを確認することが出来る。

4.実施日

(1) 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会 事前打合せ及びNPO法人事業参加
平成28年6月5日(日) 10時~14時
(2) 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会 講演・実技指導
平成28年9月4日(日) 10時~12時 交流会 12時~14時
(3) 「聖栄葛飾祭」 報告・展示
平成28年11月12・13日(土・日) 10時~16時

5.実施場所

(1) 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会 事前打合せ及びNPO法人事業参加
東京都葛飾区四つ木1-6-5(講演・実技指導旧西渋江小学校会)
(2) 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会 講演・実技指導
東京都葛飾区四つ木1-6-5(講演・実技指導旧西渋江小学校会)
(3) 『聖栄葛飾祭』 報告・展示
東京都葛飾区西新小岩1-4-6(東京聖栄大学137教室)

6.対象者

(1) 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会 事前打合せ及びNPO法人事業参加
一般区民 50名(年齢層 75歳~90歳)
(2) 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会 講演・実技指導
一般区民 50名(年齢層 75歳~90歳)
(3) 『聖栄葛飾祭』 報告・展示
東京聖栄大学学生、保護者、区民、その他 約250名(年齢層 5歳~85歳)

7.実施責任者

管理栄養学科 鈴木三枝 教授、風見公子 准教授
公衆栄養学研究室生、給食経営管理第2研究室生 計12名

8.協働事業者

葛飾区福祉部高齢者支援課 NPO法人 中・西会

9.実施した内容

(1) 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会 事前打合せ及びNPO法人事業参加

日  時
平成28年6月5日(日)10時~14時
参加者
管理栄養学科 鈴木三枝 教授、風見公子 准教授
公衆栄養学研究室生、給食経営管理第2研究室生 計9名参加
地域高齢者50名
内  容
9月に講演の対象である地域の高齢者についてよく知る。また何を講演テーマにするか話し合う。

① 10時~12時

学生と地域高齢者の方々の交流の様子

グループ(1グループ約6人程度)ごとに分かれ、研究室の学生と地域高齢者と交流した。特に「昔の暮らし」について話を聞き、現在の生活状況との違いや、防災意識等の意見交換を行った。

② 12時~13時

講演内容について意見交換の様子

9月に実施する講演会について地域の高齢者の方と、①非常食の必要性、②準備すべき非常食について、③震災時の食事の摂り方について、3点を目的とした「防災に備えた非常食の準備」について講演会を開催する事に対して、活発的な意見交換を行った。

③ 13時~14時

地域高齢者の方と学生との交流の様子

高齢者と共に食事をしながら、高齢者へのアプローチ方法や震災時の食生活の問題点について話をさせていただいた。

(2) 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会 講演・実技指導

日  時
平成28年9月4日(日)10時~12時 交流会 12時~14時
参加者
管理栄養学科 鈴木三枝 教授、風見公子 准教授
公衆栄養学研究室生、給食経営管理第2研究室生 計8名参加
地域高齢者50名
内  容
平成28年度 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会指導要領にそって実施をした。<資料1参照

① 9時~10時

平成28年6月5日(日)の打ち合わせを基に、地域の高齢者に食べやすい非常食の準備を行い、講演会に向けた学生との打ち合わせを行った。

講演会に向けた非常食の準備の様子

② 10時~12時

全体挨拶と講演会の概要説明の様子

協働事業「ふれあい共食会事業」講演会を開催し、まずはスタッフ全員でご挨拶させていただき、この講演会の目的と流れについて説明を行った。

③「非常食の必要性について」

パワーポイントを用いて、日本と地震の状況、首都直下型の地震が起きたときに非常食等の防災対策、非常食の必要量や選択の仕方について分かりやすく説明を行った。<資料2参照

研究室学生による講演の様子

④「準備すべき非常食について」

パワーポイント及び防災グッズを用いて、どのような非常食を、実際に購入をしておくか、また非常食だけでなく、災害時に活躍する防災グッズについても地域高齢者の方に体験いただく説明を行った。<資料2参照

地域高齢者の方に防災グッズを
体験いただいている様子

研究室学生による講演の様子

⑤「災害時の食事の摂り方について」

パワーポイント及び非常食等を使用し、実際に調理が必要な非常食について実践し、簡単に非常食が作れる事を地域高齢者の方々に理解を深めていただいた。<資料2参照

研究室学生による非常食調理の様子

地域高齢者の方へ非常食体験の様子

⑥配布資料説明と非常食試食

研究室学生が作成した、持ち帰りパンフレットの説明を行い、災害時の非常食の代替品として利用が可能な、8種類の食品を試食いただいた。<資料3参照

研究室学生によるパンフレットの説明の様子

研究室学生が8種類の食品について説明している様子

⑦ 13時~14時

質疑応答の様子

全体の質疑応答後、高齢者と会食を行い、協働事業「ふれあい共食会事業」講演会を開催終了とした。

(3)『聖栄葛飾祭』報告・展示

日  時
平成28年11月12・13日(土・日)10時~16時
参加者
管理栄養学科 鈴木三枝 教授、風見公子 准教授
公衆栄養学研究室生、給食経営管理第2研究室生 計12名参加
参観者 約250名(内、アンケート回収101名)
内  容
○講演会内容を要約したポスターと防災グッズや非常食を説明。
資料4参照><資料5参照><資料6参照
○リーフレットの配布、アンケートを実施。
資料7参照><資料8参照

① 展示ブースレイアウト

『聖栄葛飾祭』内展示ブースレイアウト

講演会内容を要約したポスターと防災グッズや非常食を参観者に手に取って戴けるように配置し、非常食と栄養について周知した。両日で展示ブースに参観者は約250名となった。

②参観者に応対する学生

参観者質疑応答に答える研究室生の様子

ブース集合写真

10.感想・アンケート結果

(1) 協働事業「ふれあい共食会事業」講演会 実施記録・感想

平成28年9月4日(日)の協働事業「ふれあい共食会事業」講演会内容について、NPO法人中・西会より、スタッフ実施記録と、当日参加者の感想をいただいた。スタッフからは、「非常食と栄養」と言うテーマに関心を持った方の参加があったことから、高齢者の栄養についての切り口は色々な展開を持って開催していく事を考えるきっかけとなったという意見、参加者からは非常食と栄養の資料が大変分かりやすくまとめられている事や学生がとても一生懸命に講義をしてくれていたのが印象的だった等の意見をいただく事ができた。<資料9参照

(2) 『聖栄葛飾祭』 報告・展示 アンケート集計結果

平成28年11月12・13日(土・日)の『聖栄葛飾祭』ないでブースの展示を行い、参観者に対してアンケートを実施した。項目別の集計結果は下記の通りとなった。<資料8参照

学園祭アンケート集計結果(101名)

(1)年齢n=101
n %
10~19歳 6 5.9
20~29歳 51 50.5
30~39歳 3 3.0
40~49歳 9 8.9
50~59歳 7 6.9
60~69歳 15 14.9
70歳以上 10 9.9
(2)性別n=101
n %
男性 19 18.8
女性 82 81.2
  • アンケート問1.2より、参観者の年齢は、20代が50%と最も高く、60歳以上の方も約25%であった。また、性別は女性が81.2%と高かった。『聖栄葛飾祭』に参観される方は本学の地域の事もあり、学校周辺には高齢者が多く住まわれているので60歳以上の方が多くなっていると考えられる。また、女性が多く回答した事も、本学の特徴が食と栄養と言うこともあり、参観者が女性に偏っている部分があると考えられる。
(3)展示は役立ったか。n=101
n %
非常に役立った 65 64.4
まぁまぁ役立った 33 32.7
少し役立った 3 3.0
全く役立たない 0 0
(4)非常食の準備をしているか。n=101
n %
している 56 55.4
していない 45 44.6
  • アンケート問3.4より多くの参観者が役立ったと答えてくれた。その一方で「非常食の準備をしているか」に対して、おおよそ準備をしている、していないが半々であった。この事から、関心があったとしても、中々非常食に対して準備までができていない事が考えられる。
(5)どのような非常食を準備しているかn=56
n %
39 69.6
乾パン 24 42.9
缶パン 21 37.5
缶詰 9 16.1
カップ麺 7 12.5
アルファー米 8 14.3
レトルト食品 3 5.4
菓子類 5 8.9
食料品 10 17.9
  • アンケート問5より、準備されているものは、水、乾パン、缶パンの順であった。水については、約7割が準備しており、主食となる食材(乾パン、缶パン、カップ麺、アルファー米)も約5割の方が非常食として準備をしている事がわかる。その一方でやはり、栄養面としては偏りがどうしても出てしまう為、どのような非常食として適しているのかも含めて考える必要があると考えられる。

10.感想・アンケート結果

「非常食と栄養」と言うテーマで高齢者に対して、講演をさせていただいたが、高齢者の方々にも、学生にも大変勉強になった内容であった。資料9の高齢者の方々の感想のように、非常食を準備する良いきっかけになったと思われる。また講演をするために、事前に高齢者の方々と話し合いを持つことが出来、学生達もその方々に講演するためにはどうすればよいか、考えるきっかけ作りになった。

非常食の種類や質について深く考えることは、日常的には少ないが、対象者に合わせた非常食の選択の仕方があることを学生達は学ぶことが出来た。また、どのように講演をすれば、より理解していただけるか、パワーポイントだけではなく、防災グッズや非常食の実物を見て、実際に試食をしていただいたことは、より高齢者の方々の理解と知識を深めることに役立ったと思う。

更に、学園祭『聖栄葛飾祭』で報告・展示をすることが出来、総勢250名の方に見てもらうことが出来た。高齢者の方々に実施した講演内容を丁寧に説明することで、学生達の勉強にもなり、参観者の多くの方が役に立ったと答えて下さった。資料9の高齢者の方々の感想にあるように、「このような講演はいろいろな場所で行うと良いと思う。一回だけではもったいない!」と書いていただいたが、学園祭『聖栄葛飾祭』で報告・展示として披露することが出来て、微力ではあるが、この企画に参加できなかった学生や保護者、地域住民の方にも役立つことが出来、有効であったと思う。今後も地域の方々に役立つ食の内容を発信していきたいと考える。