食品学科Q&A

Q.
食品学科について教えてください。
A.
食品学科は、研究・開発から流通・フードビジネスに至るまで、「食品」を総合的に考えるために設置された数少ない学科です。食の安全を柱として、品質管理、食品表示、食品開発などの食品技術を学ぶフードサイエンティストコースと経営学やマーケティング論を学びマネジメント能力や起業家精神を育成するフードビジネスコースを設置するユニークな学科です。
Q.
取得できる資格について教えてください。
A.
食品学科は、食品衛生管理者・監視員養成施設(登録)ですので、卒業要件を満たし、関連科目を履修することで取得できるようになっています。その他、日本フードスペシャリスト協会認定試験に合格することによりフードスペシャリスト・専門フードスペシャリスト資格が、日本食品保蔵科学会認定審査によりHACCP管理者資格が取得できるようにもなっています。また、食品微生物検査技士や検査分析士といった資格が取得可能です。

食品衛生監視員

伴野隆道さん

就職活動の開始にあたり、私はまず、今の自分に出来ることは何かを調べました。その結果、自分が食品衛生監視員任用資格を取得できる見込があり、その立場で公務員試験を受験できることを知り、東京都特別区の公務員試験受験を決意し、試験対策に全力を注ぎました。特別区の公務員試験は2次試験の面接の前に、1次試験として「教養」「専門」「論文」の3科目がありました。食品衛生学などの専門科目は大学で学んで来た内容であり、また論文は高校時代から数多く書いてきたので、どちらも自信がありました。その分、教養科目に関して多く時間を割き、問題集などを中心に、解法が身につくまで繰り返し問題を解き続けました。最終的には、様々な方々の協力も得て、食品衛生監視員として働くことが出来るようになりました。今後は自分が生まれ育った地で、大学で学んだ事を活かして、自分なりの形で地元に貢献したい、と考えています。

健康栄養学部食品学科 2014年卒業 伴野 隆道さん
東京都特別区(江戸川区)食品衛生監視員 勤務
東京都 国立東京大学教育学部附属中等教育学校 出身

中川澄太さん

私は奨学金の支給を受けていました。奨学生として学んだ立場で進路について考えた結果、特定個人や企業を対象としない公共の利益のためにこそ役立ちたいと結論づけました。横浜市は政令指定都市の中で最も多くの人口を持つ都市であり、行政が取り扱う対象や問題も様々です。食品衛生監視員とは監視指導を通じて業者の方と関わることが多い職種ですので、説得力のある発言ができなければならないと考えています。大学生活4年間で食品衛生学や公衆衛生学だけでない「食品全体の知識」、そしてそれを活かすための「発想力」を養うことができたと思っています。この4年間で得たことを地域の公衆衛生向上に役立たせるのがこれからの目標です。

健康栄養学部食品学科 2010年卒業 中川 澄太さん
横浜市食品衛生監視員 勤務 新潟県立長岡農業高等学校 出身

Q.
どんなことが学べますか。
A.
食品の素材~加工・調理~分析~流通・販売までを一貫して学べます。具体的には、

(1) モノづくりの楽しさ
食品加工、調理、製菓・製パンなどの技術を修得 → モノづくり実習と”食のプロフェッショナル”としての生き方を教えます。
(2) 食品素材の見分け方
食品の成分分析法や機器分析実習、微生物に関する実験、食品衛生学実験など食品の品質管理や安全性に係わる技術を修得します。
(3) 食品の開発~流通・販売(フードビジネス)の仕組み
食品開発から流通・販売までを一貫して学べるので、新規の食品の開発(現在、食物アレルギーの人に対応した新規食品=菓子、パン、惣菜等の開発が望まれています)から外食産業等でのメニュー提案まで、 「食」に係わる多方面での活躍ができます。こうしたトータル的な知識・技術を持つ人材は、大手から中堅の食品メーカーで欠かせない存在となってきています。
(4) 国内外の専門研修
国内研修では、国内食品市場や農場などの視察を通じて、「食品」を知ることから始め、海外研修では、ヨーロッパやアジア等の諸外国の食品市場等の視察を行い、「食の海外事情」を学びます。
(5) 3年次インターンシップ
実際の職場で体験学習することによって、食品業界の現状や職業意識を形成することができます。
(6) 3、4年次に食品加工実習、食品開発実習、創作メニュー実習、フードコーディネート実習などを用意。

以上のことから、食品の安全性や機能性を深く理解できる食品科学技術やフードサービスビジネスの全般で求められる能力といった食品業界の多様な分野で求められる能力を養うことができる学科です。

Q.
どんな人に向いていますか。
A.
必ずしも理数系統科目が得意ではないとしても、興味が持てるなら、きっと楽しく学べるはずです。入学後は、本学の教員が化学入門、化学、化学実験、有機化学、生物学など、高校までの教科内容を振り返りながら、専門分野へナビゲートしていきます。

  • ○モノづくり(製菓、製パン、食品加工、調理)が好きな人
  • ○食品の分析や開発に興味がある人
  • ○食品の安全性について学びたい人
  • ○微生物を応用した食品に関心がある人
  • ○フードビジネスでの活躍や自ら起業を夢見る人
Q.
卒業後、どのような就職先がありますか。(具体的な職種は?)
A.
食品製造会社(研究・開発・品質管理など)、食品関連企業(流通・販売など)、食品分析会社、保健所などの食品監視員、外食・中食産業やホテルといった食品関連業界を中心に多様な分野への就職が可能です。その他、香料会社、化学品製造会社、製薬会社等も視野に入ります。例えば、花王やJTなどの化学品製造会社が機能性食品(健康食品・油脂・飲料等)を、JR東日本が有機農産物を使ったお弁当などを手がけるなど、一見無関係だった企業が新規に食品部門を展開する動きが活発です。

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